機能・特徴
処理の流れ
1.関心領域の抽出及び、コントラスト強調
ExFact Analysis for Fiberで処理をする前に、計算量削減を目的として、 ExFact VR にて、関心領域を切り出し、材料部分と空隙部分のコントラストを強調します。コントラストの強調は、ボリュームにおおまかな二値化処理を施すことが目的で、ボリュームを完全に二値(白、黒)化するわけではありません。 処理が終わったら、Rawデータと、VRDファイルを作成します。
2.2値化処理
読み込みデータは、ノイズ等の影響で、明確に、空隙部分と、ファイバー部分に分かれているとは限りません。具体的には、左図のような状態になっている場合が多く見受けられます。そのような画像を、ExFactでは、krigingというアルゴリズムで、材料部分の形態を考慮して2値化処理をします。
3.細線化処理
ファイバー部分を細線化します。細線化は、左図のように、ファイバーの中心を通るような線になります。
つぎに、ファイバーの太さつまり、細線化された中心線と、ファイバーの縁までの距離に応じてレインボー表示をします。赤が細いファイバー、青は太いファイバーをあらわします。
4.定量解析の準備
ファイバー同士が接触している部分で、分割します。
下図で、Cluster と表示されている部分をbonds といいます。
Bonds で分割されたファイバーをその形態によってクラス分けし、長さ、配向、等の値を算出します。
5.解析データの出力
グラフとして出力されるデータは多数ありますが、代表的なものは以下のとおりです。
Bonds per fiber ファイバー一本あたりに存在するBonds の数の分布
Bondsとは、ファイバー同士が接触する部分
横軸:ファイバー1本あたりのBondの数
縦軸:その頻出を示す度合い
Crossing Angle ファイバー同士の交差角の分布
crossing angle とは、三次元的に交差するファイバー同士がなす角の最小値。上記の場合c がそれに相当します。
横軸:その角度
縦軸:その頻出を示す度合い
Fiber length ファイバーの長さの分布
- Clusterとは三本以上のファイバーが接触している部分
- LL(leaf-leaf) とは他のファイバーと交差する点がないファイバー
- BB(branch-branch) とは両端がクラスターになっているファイバー
- BL(branch-leaf) とは一方が末端, もう一方がクラスターになっているファイバー
- All は全部のファイバーを含む
Tortuosity 屈曲率
大まかなファイバーの配向の分布の傾向を確認できます。
f とs が同じ場合つまり、まっすぐな場合にTortuosityは1になります。この値が最小値となり、曲がりくねった度合いがすすむにつれ大きい値となります。
Fiber moment of inertia ファイバー一本一本の配向の分布
Fiber moment of inertia とは、ファイバーの慣性主軸(3次元なので直交する三軸があります。)を算出したものです。S, M, Lの表記は、慣性主軸の3軸の大きさが、最小、中間、最大という意味になります。
通常、ファイバーの配向に関心がある場合、慣性モーメントが、最小である方向が、配向を示すといえます。よって、Sのプロットが、ファイバーの配向の分布を表しているものということになります。
なお、慣性主軸の大きさに関しては1にノーマライズされています。このベクトルの数値データはCSVファイルに出力されます。